面白いノベルゲームづくりにコンセプトが重要な理由
そもそもコンセプトって何だまん?
コンセプトというのは、
そのゲームの「ウリ」となる部分です。
ゲームだけに限らず、
世の中で作られている商品は全て
コンセプトを決めた上で、それを元に作られています。
コンセプトは、
その後のアイディアを広げていくための「要」となるため、
一番最初の段階でしっかり練って方向を定めておく必要があります。
なんとなくはわかったけれど、どうしてコンセプトが重要なんだまん?
例えば、男女ともに大人気の
「LINE:ディズニーツムツム」。
このゲームのコンセプトは
「ディズニーのテーマパークを体感できる」
です。
コンセプトはこのように
「一言で表現できる」のがポイントです。
理由はシンプルな方が他人に伝わりやすいからです。
ここであなたが
「めっちゃおもしろい!」
と思っているゲームを想像してみてください。
誰かに
「そのゲームってどういうところがウリなの?」
と聞かれたら
「○○だから^^!」
とパッと言葉が浮かびませんか?
つまり、面白いゲームというのは
コンセプト(=ウリ)を一言で伝えられるのです。
逆に
「なんだか微妙だったな~」
と思うゲームのウリを聞かれたらどうでしょうか?
おそらく上手く言葉にできないと思います^^;
また、コンセプトを作ることで
ゲームの方向性自体もブレずに、
筋の通ったものに出来ます。
ノベルゲームでいうと、
コンセプトが定まっていないと、シナリオに大きく響きます。
例えば、シナリオの辻褄が合わなかったり
結局何を言いたかったお話なのか
わからないということになります。
そのため、遊んだユーザーさんは
「結局このゲームってなんだったんだろう?」
と、もやっとしてしまうわけです。
ノベルゲームでは
テキストの量が多くなります。
そのため、コンセプトを決めておかないと、
シナリオを書き進めているうちに
アイディアがあっちこっちにいってしまい、
筋が通らなくなってしまうことが多々あります。
上記の理由から、
最初の段階で、コンセプトをしっかり固めておくことが
とても重要になってきます。
コンセプトをしっかり固めておくことで、ユーザーさんにもあなたのゲームの面白さが伝わりやすくなりますよ
ゲームコンセプトの作り方
コンセプトが重要なのはわかったまん。
でもどうやって作っていったらいいまん?
じゃあ大きく
「アイディアを広げる」
「アイディアを絞る」
の2STEPに分けて説明していくね
STEP1:アイディアを広げる
面白いと感じているイメージをキーワード化する
「ゲームを作りたいな」
と思っているあなたは
「こういう感じのゲームがいいな」
と、なんとなくイメージがある状態だと思います。
それをキーワード化して
どんどん出していってみましょう。
例えば私だったら
「遙かなる時空の中で」という
和風ファンタジーの乙女ゲームが大好きです。
なので、実際に自分がゲームを作る時も
遙かなる時の中でシリーズに、影響を受けている部分が大きいと思います。
ではなぜ「おもしろい」
と感じているのかと考えてみると
パッと下記のようなキーワードが出てきます。
和、ファンタジー、切ない、仄暗い、禁断の恋
犠牲、タイムスリップ、異世界、シンデレラストーリー
ここから更にキーワードを出していきます。
例えば「和」から更に思い浮かんだキーワードは
戦国、平安、着物、鬼、妖狐、戦い、閉鎖的、村
です。
ここで大事なのは、
細かいことを気にせず、どんどんキーワードを出していくことです。
キーワードを出しているうちに
「このキーワードって関係ないんじゃ?」
と思うものも出てくるかもしれません。
ただこのSTEPでは、
「とにかくキーワード(アイディア)を出しまくることが大事!」
なので、出しまくることが大切です!笑
キーワードからコンセプトを作る
出したキーワードから
絶対に外せないと思ったキーワードを拾い、
ざっくりとコンセプトを作ってみましょう。
私の場合はやはり
「和風ファンタジー」
「切ない恋愛もの」
が外せないと思っていたので、
上記をコンセプトとしました。
ただこれだとあまりにざっくりしすぎですし、
どこにでもありそうな感じで、あまり面白さがわからないですよね^^;
なので、もう少し具体的に考えていきます。
先程出したそれぞれのキーワードに
更に肉付けしていていきましょう。
例えば、
和風ファンタジー
というキーワードを掘り下げてみましょう。
<和風ファンタジー>
・現代×タイムスリップ×戦国時代×戦い
⇒現代の主人公が戦国時代にタイムスリップし、攻略対象たちと戦う
・現代×妖怪×戦い
⇒現代を舞台に、攻略対象たちと共に妖怪たちと戦う
ここでは、最初に出したキーワードを組み合わせて作ったり、
必要だと思うキーワードも適宜追加しながら作ります。
次に
「切ない恋愛」
というキーワードも深堀りしてみましょう。
<切ない恋愛>
・別れる恋愛
⇒一度は結ばれるが、別離を選択せざる負えない状況
・結ばれない恋愛
⇒許されない立場、相手に理解されない、誰かの陰謀により引き裂かれる恋愛
・犠牲の恋愛
⇒死、または身体・心・社会的立場などに大きな傷を追う恋愛
こんな感じの流れで
自分が絶対に重要だと感じているキーワードを
どんどん深堀りしていきます。
シナリオ概要を作る
ここまでで
それぞれのキーワードを深堀りして
シナリオのおおまかな方向性を考えてきました。
ここでは更に具体的な内容、
シナリオの概要を考えてみましょう。
例えば、先程深堀りした
<和風ファンタジー>
・現代×妖怪×戦い
⇒現代を舞台に、攻略対象たちと共に妖怪たちと戦う
<切ない恋愛>
・結ばれない恋愛
⇒許されない立場、相手に理解されない、誰かの陰謀により引き裂かれる恋愛
という方向性でシナリオの概要を考えてみました。
<シナリオ概要>
舞台は現代、古いしきたりのある田舎の村。攻略対象たちは半妖怪。
村で平穏な毎日を過ごしていた主人公だったが、村を突然襲ってきた悪い妖怪たちで平和な日常が崩れ去る。村の平穏を取り戻すために、主人公は攻略対象たちと、一緒に戦うことを決意する。
戦いの中で互いに芽生える恋心。
だが、主人公は攻略対象たちを取り纏める、村にとっても重要な立場にあり、常に村人たちに監視されていた。よって攻略対象との恋愛がバレた場合は自らの命を失うことになる。
半妖怪たちとの禁じられた立場での、切ない和風ファンタジー。
シナリオ概要まで落とし込んでみて
「やっぱり別のコンセプトの方がいいかな」
「新しいキーワードを思いついた」
など出てくることもあると思います。
その場合は、また前の段階まで戻って
キーワードや方向性を再検討します。
そんな感じで
いろいろなパターンを出していきましょう。
STEP2:アイディアを絞る
STEP1までは、いろいろなキーワードを出して、アイディアを広げていきました
ここからは出したアイディアを絞っていきましょう
出したアイディアをブラッシュアップする
ここでのポイントは、
「ユーザーにどんな体験(感情)を体感してもらいたいか」
「物語に変化はあるのか」
という点です。
まず1点目の
「ユーザーにどんな体験(感情)を体感してもらいたいか」を確認する理由は
冒頭でも書いた通り、
「面白いゲームを作るには、コンセプトを考える必要があるから」
です。
2点目に挙げた
「ストーリーに変化があるのか?」を確認する理由は
ストーリーに変化がないとつまらないからです(^^;
話の始めから終わりまで
登場人物の状況や心境など全く変化のない物語を
読みたいでしょうか?
また、ゲームは
プレイヤーが行動する
⇒なにか報酬をもらえる
の繰り返しです。
何かしら報酬がもらえてワクワクするから
プレイするわけです。
ノベルゲームは、物語を読むことをメインとして
進んでいくゲームです。
それの変化がないとなると、
RPGゲームでいったら、
いくら主人公が敵を倒しても、
全くレベルアップしないようなゲームになってしまいます・・・。
以上が
「ユーザーにどんな体験(感情)を体感してもらいたいか」
「物語に変化はあるのか」
の必要な理由になります。
前置きが長くなりましたが、
先程のストーリーの概要と、
2点の確認ポイントを照らしあわせてみましょう。
「ユーザーにどんな体験(感情)を体感してもらいたいか」
⇒恋愛の許されない立場同士での切ない恋愛
「物語に変化はあるのか」
⇒これはもう少し具体性が必要なので、起承転結を考えてつつ肉付けしてみました。
【起】
平穏な村で攻略対象たちとのんびり暮らしていた主人公たち
【承】
ある日村の脅かす妖怪たちが襲ってきて、攻略対象たちと戦うことになった主人公
【転】
戦いの中で互いに恋愛感情が生まれるものの、立場上恋愛が許されないことを知り、苦しむ主人公
【結】
村を救うために自らの命と引換えに村を守ろうとした主人公だったが、結局愛する人が庇い、失ってしまうことになる
変化についてまとめると
「攻略対象達と幸せに暮らしていたが、戦いの中で愛する人を失ってしまう」
になります。
「平穏な毎日がどんどん失われていく」の過程で、
主人公や攻略対象たちの心情の変化も
盛り込んでいく感じです。
コンセプトを一言でまとめる
さて、最後に再度コンセプトに立ち返ってみます。
ここまで考えた内容を一言でまとめてみましょう。
今回の例では下記のようになりました。
<コンセプト>
半妖怪たちが織りなす、切ない和風ファンタジー恋愛ゲーム
<具体的には?>
現代×和風ファンタジー
⇒現代を舞台にするものの、古いしきたりのある村社会や半妖怪たちの攻略対象たち、敵の妖怪たちを登場させる
切ない×恋愛
⇒平穏な毎日が一転し、禁じられた立場同士での恋愛であること、また村を救うためにどちらかが犠牲となってしまう結末へ向かう過程で切なさを演出する
最初は
「和風ファンタジー×切ない恋愛もの」
という超ざっくりした感じでしたが、
それらを演出するためにどういうシナリオにするか
具体的に考えていくことで、
コンセプトの実現可能性がわかりますし、
そのゲームのおもしろさ自体も明確になってきます。
まとめ
以上、いかがでしたでしょうか?
今回の記事では、
「面白いノベルゲームづくりにはコンセプト作りが重要」
ということで、
コンセプト作りが重要な理由と、
ノベルゲームのコンセプト作り方を
- アイディアを広げる
- アイディアを絞る
の2STEPに分け、紹介させて頂きました。
今回は例のため、シンプル化しましたが、
実際のコンセプト作りは、
「コンセプト⇔具体案」
をいったりきたりして、
何度も練り直してやっとできるものなので
時間のかかる作業です。
ただ、これをしっかりすることで
その後のゲームのクオリティもぐっと高くなりますし、
いろいろアイディアを出す作業が一番楽しかったりもするので
楽しみながらやってみて頂ければと思います^^
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