今回はゲームシナリオを作成する時の作法の説明をします!
![ぶたまんさん](https://ykagaya.com/wp/wp-content/uploads/2019/10/pig_egao.png)
かがやは初めてのゲーム制作で
作法を考えずに書いてしまって、後から苦労してたまんね
![かがや](https://ykagaya.com/wp/wp-content/uploads/2019/10/kagaya_ase.png)
(ぎくっ)
ぶたまんさんに指摘されている通り、
私は初めてゲーム制作をした時に
作法をあまり考えず作成してしまったため、
後からシナリオを修正するのに時間がかかりました^^;
この記事を見て頂いたあなたには
そういった苦労をかけてほしくないので
まずは実例を紹介してから
具体的に説明していきたいと思います!
ゲームシナリオの実例
実際のゲームシナリオを見て頂いたほうが
イメージが掴めやすいかと思いますので先に紹介しますね。
※下記は私が過去に制作した「おかまDE騎士」というゲームのシナリオの一部です。
//bg 夜道
【花奈子】
「うーん、南くんがいるお店ってこっち?」
私はスマフォ片手にあれやこれや迷いながら夜道を歩いていた。
北都に、北都の気持ちに応えられないと伝えた私は、今の想いを伝えるために南のお店へ向かっていた。
場所は近くなっているはずだが、南がいるお店らしきおかまバーは見当たらない。
【花奈子】
(というか、この辺ガチでおかまバー多い)
多すぎて、実は南のお店も見落としていたりして……。
そんな不安にかられながらも、ひたすら前に突き進む。
その時――。
【金髪のチャラ男】
「あれー、カノジョ。もしかして道に迷っちゃったの~?」
【モヒカンのチャラ男】
「この辺俺達の『庭』だから、案内してあげるよ~」
【花奈子】
「いえ、結構です。迷ってないんで!」
【金髪のチャラ男】
「嘘だ~。さっきからキョロキョロして、明らかに迷ってるじゃん」
【金髪のチャラ男】
「遠慮しなくても大丈夫だよ。俺たちこの通り、全っ然怪しくないから!」
いや、明らかに怪しい!
というか、着いて行ったら絶対おかしなところに連れ込まれる!
【花奈子】
「いえ、ですから結構ですってば!」
【モヒカンのチャラ男】
「はは、お姉さん、意外に頑ななんだね」
がしっ
【花奈子】
「ちょっ、離してください!警察呼びますよ!」
ぐいっ
//fg 南おねえver_通常
【花奈子】
「!」
【南】
「ごめんね~、お待たせしちゃったわね。行きましょっ」
まさかの南(おねえバージョン)が登場。
口調までおねえになってる。
【モヒカンのチャラ男】
「おやおや、行くってどこに行くの~?」
【金髪のチャラ男】
「俺らも丁度2人だし、一緒に遊ぼーよ、ね、ね?」
【金髪のチャラ男】
「この近くに超~シャレオツなカラオケがあるから案内するよ~」
あくまで食い下がりまくる、チャラ男たち。
【南】
「花菜ちゃん、行きましょう」
【金髪のチャラ男】
「おいおい、ちょっと待てよ」
金髪のチャラ男が私の腕を掴む。
すると。
//se 殴る音
ドスッ
【金髪のチャラ男】
「ぐあっ……!」
【南】
「彼女に触るな」
さて、ゲームシナリオの特徴としては
主に下記が挙げられます。
- 地の文があるか、どうか
- 背景や立ち絵、効果音などの指定が必要
- ユーザーの選択によって、シナリオが分岐する
- 主人公は一人称で書く
次からそれぞれについて
具体的に説明していきます!
ゲームシナリオの特徴って何?
地の文があるか、どうか
![ぶたまんさん](https://ykagaya.com/wp/wp-content/uploads/2019/10/pig_gimon.png)
そもそも「地の文(じのぶん)」って何だまん?
![かがや](https://ykagaya.com/wp/wp-content/uploads/2019/10/kagaya_normal.png)
「地の文」はキャラの台詞以外の、説明文のことを指すよ
例えば、先程実例で紹介したシナリオ
【花奈子】
「うーん、南くんがいるお店ってこっち?」
私はスマフォ片手にあれやこれや迷いながら夜道を歩いていた。
北都に、北都の気持ちに応えられないと伝えた私は、今の想いを伝えるために南のお店へ向かっていた。
でいうと
私はスマフォ片手にあれやこれや迷いながら夜道を歩いていた。
北都に、北都の気持ちに応えられないと伝えた私は、今の想いを伝えるために南のお店へ向かっていた。
のが地の文に当たります。
それでは地の文があるのとないのとでは
それぞれどういったメリット・デメリットがあるでしょうか?
<地の文あり>
- メリット
- 細かな情景描写ができる
- デメリット
- シナリオが冗長になりやすく、テンポが悪くなる
<地の文なし>
- メリット
- シナリオのテンポがよくなり、サクサク読み進められる
- デメリット
- 情景描写をキャラの台詞や演出で表現する工夫が必要
- 特に台詞は工夫をしないと、台詞が説明的になり、不自然になることがある
このサイトを見て頂いているあなたは
ノベルゲームで遊んだことがある方だと思いますが
ノベルゲームでは、地の文ありのゲームが多いですよね?
地の文を使うと、
キャラの心情や情景描写を細かく表現できますが
ゲームシナリオでは、なるべく少なめにしていくのがおすすめです!
理由は、メリット・デメリットでも書いたように
地の文を多用してしまうと、テンポが悪くなってしまうからです。
テンポが悪くなると、
ユーザーさんも途中で疲れて、飽きてしまう可能性もあります。
ゲームは小説と違って文字だけでなく、
イラスト・音楽などの演出を使うことが出来ますので、
それらも上手く使いながら、ゲームを盛り上げていくことも
大切と考えています。
ただ、少なめを心がけつつも、
作るゲームのコンセプトによって、
地の文の量の調節は必要と考えています。
例えば、今回例に挙げた
「おかまDE騎士」というゲームですが、
ギャグ要素の多い恋愛ゲームでしたので、
テンポをよくしたいこともあり、地の文は極力少なくしています。
一方、私の処女作の「紅に染まる」というゲームは
ほの暗く、切ない恋愛ゲームなので
テンポというよりも、一つ一つの言葉をじっくり味わいながら
プレイしていただきたいという思いもあり
地の文を気持ち多めに入れています。
背景や立ち絵、効果音などの指定が必要
実際のゲームシナリオを見て頂いて
気がついたかと思いますが
//bg 夜道
//fg 南おねえver_通常
といった見慣れない記号がありました。
これは背景や立ち絵表示、効果音などの
演出を指定する記述になります。
ちなみに上記の例だと
//bg 夜道
⇒「夜道」の背景の表示
//fg 南おねえver_通常
⇒「南おねえverの通常の表情の立ち絵を表示」
という意味で書いています。
なお「//」という書き方をしているのは
プログラム中にコメントを入れる際の
書き方のルールに則ってそうように記載しています。
![ぶたまんさん](https://ykagaya.com/wp/wp-content/uploads/2019/10/pig_komaru.png)
プログラム中にコメント?
プログラム組んだことないから、よくわからないまん
![かがや](https://ykagaya.com/wp/wp-content/uploads/2019/10/kagaya_normal.png)
プログラム中のコメントは、
一旦ここで理解しなくても大丈夫だよ。
とりあえず「そう書くんだな」程度の理解でOK
これを予め書いておくと
後のプログラムを組む段階で
背景や立ち絵の表示などをするための記述を
自動的に置換し、入れ込むこともできます。
つまり、一つ一つ手入力で
背景・立ち絵・効果音などの指定をしなくても
自動で一括指定できるようになります。
そのため、この指定を予め入れておくと、
プログラムを組む時がぐっと楽になります。
また、プログラム以外にも
背景や効果音を準備する際に
どういった効果音が必要になるかも
すぐに検索してピックアップすることもできるため
素材準備でも便利だったりします。
ただし、1つ注意点があります。
それは
「書き方の統一化しておく必要がある」
という点です。
例えば、「南」というキャラの
普通の表情の立ち絵を表示する記述をする場合に
ある部分では
//fg 南_通常
と書いたり、またある部分では
//立ち絵_南_普通の表情
と書いたりすると、後で一括変換することが
できなくなってしまいます。
理由は、一括変換するためには、
「検索⇒置換」という手順を踏むため、
書き方が統一化されていないと、
検索で引っかからなくなってしまったり、
逆に別の記述が検索に引っかかり、
意図しない変換がされてしまうことがあるからです。
そのため、書き方の統一化は必ずしておきましょう!
ちなみにかがやの場合は、下記のようにしています。
立ち絵表示
//fg 立ち絵名_表情名
効果音表示
//se 効果音名
背景表示
//bg 背景名
BGM再生
//bgm BGM名
かがやは上記のように記載していますが、
書き方が統一化さえできれいれば
あなたがやりやすい記述の仕方で大丈夫です。
ユーザーの選択によって、シナリオが分岐する
ゲームは、ユーザーの選択によってシナリオが分岐します。
そのため、分岐部分も予め指定しておく必要があります。
また私のシナリオで恐縮ですが
下記に実例を挙げます。
【北都】
「ま、いいさ。俺も鬼じゃない。返事は少しだけ待ってあげるよ」
【北都】
「その代わり、タイムリミットは3日後までだ」
【北都】
「それじゃあ、良い返事を期待しているよ」
【花奈子】
(……どうしよう、絶体絶命だ)
北都の秘書になんてなりたくない。
けれど……。
【花奈子】
(あんなことになったとはいえ、南くんが今の会社にいられなくなってしまうのは……)
私が取った選択は……
//選択肢
//北都の誘いを受け入れる
//北都ルート
//北都の誘いを断る
//南ルート
シナリオの分岐は、
ゲームシナリオ作成時に考えると
どこでどう分岐して、どこに繋がるのか
自分でもわからなくなってきてしまいます。
そのため作成前に、
箱書き(フローチャート)を作成し、
どのように分岐していくか整理してから
作成していくことになります。
@箱書きについての記事は現在執筆中です
主人公は一人称で書く
小説では主人公の呼び方を
一人称、三人称と使い分けますが
ゲームシナリオでは基本的に一人称で書きます。
一人称だと
「私は~だと思った」
三人称だと
「彼女は~だと思った」
といった表現になります。
ゲームシナリオで一人称を用いる理由は
「ユーザーが主人公に感情移入をしやすくするため」です。
ゲームは、ユーザーが主人公になって
ゲームの世界を体感するためのものです。
つまり、
主人公=私
と、ユーザーが感じられるシナリオが大切となってきます。
そのため
「ユーザーが主人公に感情移入できる」
のがとても大切になります。
その他注意事項
シナリオに統一感を出すために、
その他細かなテキストのルールを
予め決めておきましょう。
主に下記のような点になります。
改行のあるなし
ゲームシナリオでは、意図的に改行を入れることが多くあります。
例えば、下記のような感じです。
<改行指定あり>
<改行指定なし>
![ゲームシナリオ実例(改行指定なし)](https://ykagaya.com/wp/wp-content/uploads/2019/11/sinario02-min.jpg)
前者は1行につき、1文にしていますが
後者は改行なしにしています。
1回に表示されるテキストは、長くても
1行につき20~25文字×3列ぐらいが
読みやすい文字数とされていますので、
上記を踏まえつつ、シナリオを書く時に
適宜改行入れていくことをおすすめします。
![ぶたまんさん](https://ykagaya.com/wp/wp-content/uploads/2019/10/pig_komaru.png)
改行ってどこに入れたらいいのか
正解ってあるのかまん?
![かがや](https://ykagaya.com/wp/wp-content/uploads/2019/10/kagaya_normal.png)
「こうしないとダメ!」っていう正解はないよ。
ユーザーさんが遊んで、読みづらくないかってことを
考えながら入れていけばいいと思うよ
「ユーザーさんにとって」
と書きましたが
「そんなこと言ってもわからない!」
と思われる方もいらっしゃると思います。
ここで大切なのは
自分にとって読みづらくないか?
ということです。
自分にとって読みづらければ
他の人にとっても読みづらい文章になっているはずです。
なので、
「ユーザーさんにとって」
と言われてもピンと来ない方は、
「自分で読んでみてどうか」
を確認しながら、書いて頂ければと思います。
キャラの呼び方
こちらはタイトルどおりです。
「南くん」と呼ぶのか、
「南」と呼び捨てにするのかなどになります。
私の場合は、キャラ設定もシナリオも
自分で作っていたこともあり
全て頭の中で決めてしまってからは、
特に書き出したりはしませんでしたが
もしシナリオを他の人と分担して進める場合は
下記のように呼応表を準備しておくと
呼び方にブレがなく、便利かと思います。
<呼応表>
呼ぶ側/呼ばれる側 | 主人公(花菜子) | 南 | 北都 |
---|---|---|---|
主人公(花菜子) | 私 | 南くん | 北都 |
南 | 花菜ちゃん | 俺 私(おねえver) | 龍園寺 |
北都 | 西宮さん | 赤坂 | 俺 |
表記のルール化
例えば記号は全角にするのか、
「・・・」なのか「……」なのかなどです。
物の表記の仕方も
「りんご」なのか「リンゴ」なのかなど
シナリオ中にばらつきがあると、
ゲームの世界観が崩れてしまいますし、
ユーザーさんも混乱してしまいます。
こちらも予め表記の仕方をルール化しておきましょう。
以上、いかがでしたでしょうか?
今回はゲームシナリオの実例を紹介しましたが
その前の段階についても、別記事で紹介していきますね。
シナリオの書き方を強化したい方は、下記の記事も参考にしてみてくださいね。
面白いノベルゲームの作り方=コンセプトが超重要!【シナリオ書き方】【個人ゲーム制作】
@ゲームシナリオのアイディア発想法(執筆中)
@ゲームシナリオプロット作成方法(執筆中)
@ゲームシナリオの分岐作成法(執筆中)
本記事があなたのゲーム制作のお力になれることを願っております。
<ノベルゲーム、恋愛ゲームをつくる人必見!>
個人ゲーム開発歴6年&
元大手ゲーム会社プランナーの
かがやの知識を詰め込んだ
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